2026年8月
チラシやパンフレットの制作で、デザインの良し悪しと同じくらい仕上がりを左右するのが「入稿データの品質」です。せっかくのデザインも、データの作り方を誤ると、印刷したら色がくすんだ、端が白く切れた、文字がガタガタになった——という残念な結果になります。この記事では、印刷会社にデータを渡す前に知っておきたい基本を、専門用語をかみ砕いて説明します。
印刷物は大きな紙に刷ってから断裁します。このとき機械にはわずかなズレが生じるため、紙の端まで色や写真を配置するデザインでは、仕上がりサイズより外側に3mmはみ出してデータを作ります。これが「塗り足し」です。塗り足しがないと、断裁のズレで紙の白地が細く覗いてしまいます。逆に、文字や大事な要素は仕上がり線の内側3mm以上に収めます(こちらは「安全マージン」と呼びます)。
印刷に必要な画像解像度は、原寸で350dpi程度が目安です。Webサイトからダウンロードした画像(72dpi前後)を引き伸ばすと、印刷ではぼやけて粗が目立ちます。「画面ではきれいに見えるのに」というご相談は非常に多いのですが、画面と紙では必要な情報量がまったく違うのです。写真は撮影時のオリジナルデータを、ロゴはできればIllustrator形式(ベクターデータ)を用意してください。
画面の色は光の三原色(RGB)、印刷はインクの四色(CMYK)で表現されます。RGBの鮮やかな青や緑は、CMYKでは物理的に再現できないため、変換すると必ず少しくすみます。データをRGBのまま入稿すると、この変換が印刷会社任せになり、意図しない色になりがちです。制作の段階からCMYKで色を確認しておくのが確実です。
データを開くパソコンに同じフォントが入っていないと、文字が別の書体に置き換わってレイアウトが崩れます。これを防ぐため、入稿前に文字を図形化する「アウトライン化」を行うのが基本です。ただしアウトライン化すると文字の修正ができなくなるため、必ず修正可能な元データを別に保管しておきます。
とはいえ、これらをすべて自社で管理するのはなかなか大変です。当オフィスではデザインから入稿データの作成、印刷会社とのやり取りまでまとめてお受けしていますので、「データ周りはよく分からない」という場合も安心してご相談ください。
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